2008年7月13日日曜日

SBM研究会に参加

SBM研究会に参加しました。
事務局のみなさん、ありがとうございました。大変有意義な研究会でした。
会場の東工大岡山キャンパスには初めて行きましたが、広い敷地に緑が多くとても素敵な場所でした。

感想を少し書いておきます。
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■「ソーシャルメディアとマーケティング」
内容のみならず独特の語り口調がとても面白かった。
ソーシャルブックマークは総合型ではなく閉鎖型(特化型?)でまず成功した後に、総合型に発展していくほうがよい、という結論には同意。(私はその考えに基づいて特化型SBMを自由に作れるサービスを作成し、実験的に公開している。)

■「SBMデータを用いたwebコンテンツ推薦」
コラボレーティブフィルタリング手法について。自分からは積極的に勉強しない分野なので、とても勉強になった。

■「SBMにヒントを得たコメント共有サービスの一提案」
非常に完成度の高いシステムと感じた。今後サービスとしてどう盛り上げていくのか注目したい。開発者の方がマイクロブログとSBMの近似性に言及していたが、その点は私も常々感じていた。

■「お前のモノ(ブックマーク)は俺のモノ、俺のモノ(ブックマーク)も俺のモノ」
P2P型SBMのアイデアについて。興味深いアイデアだと思うが、P2P型SBMツールをインストールさせる動機が課題になるのではないか。

■「ソーシャルグラフってどうよ?」
ソーシャルグラフに関する解説。ソーシャルグラフは折れ線グラフの共有ではありません、などユーモアを交えて解説されており楽しかった。
講演途中で豪雨。

■「私がチャレンジしたSBMデータマイニング」
はてブのデータを利用したサービスの動作原理について。
新しいSBMを作るのではなく、はてブのhotentryの見せ方を変えてユーザーに提示するアプローチはSBM普及の手段の一つとして非常に有効だと思う。(はてブユーザーの行動特性、コミュニティカラーはhotentryの内容に大きく影響されるのではないか。フィードバック内容を変えれば、行動も変わる。)

■パネルディスカッション「SBMの課題とこれからSBMが進むべき道」
アカデミック、ビジネスの両サイドからパネリストが選出されており、若干消化不良感はありつつも、興味深い内容だった。


参加者のモバイルPC所有率が高く、Twitterでリアルタイムに感想を投稿している人が多かった。私はPCを持っていかなかったし、携帯の電池も切れそうだったのでTwitterにアクセスできず、隣に座っていた某氏にタイムラインを見せてもらっていた。タイムラインに参加できないことに、なんだかとても疎外感を感じた。
ニコニコ大会議でのコメントリアルタイム共有で参加者が感じた新しい現実感とおそらく同様の感覚だったのではないか。

私もSBMには非常に高い関心を持っていて、気がつけばこれまでに3つのSBMを作成している。一つはイントラでSBMを評価するためのプロトタイプ、残りの二つは個人的に作成して公開中のものだ。
今回の研究会の内容はアカデミックな要素が多く、SBMが一般に普及した後にどのように情報評価システムとしての品質を維持するか、という点に問題意識があったと理解している。
一方で、私の問題意識は、どうすればSBMが一般に普及するのかという点にある。アルゴリズムよりもユーザー心理やコミュニティ論に興味がある。
普段の問題意識と異なる内容だったため、逆に自分の立ち位置を再確認できたし、新しいインプットを得ることができた。10時から6時までと長丁場の研究会だったが、得るものの多い一日だった。

講演を聞きながら、いくつかSBMの新しいアイデアを思いついたので暇を見つけて作成してみたいと思っている。

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